小さいころ、何度も読みました。まだ何もわからない子どもでしたが、泣きました。
幼稚園が一緒だった子で、やはり同じような手を持つ女の子がいました。
子どもは遠慮なく、不思議に思ったことは率直に口にしますよね。
私も「どうしてそういう手をしているの?」と尋ねました。
すると、「赤ちゃんのとき、ハサミで切っちゃったの」とその子は答えました。
まだ3歳だったかと思うのですが、説明に慣れたようでした。おそらく、いろんな子から同じ質問をされていたのでしょう。
そのときは「そうなんだ」と言って会話は終わり、彼女と話した記憶もそれが最後でした。
その後、この絵本に出会いました。泣いているさっちゃんの絵を見て、自分もとても悲しくなりました。
読み終わり、「私、あの子にいやなこと言わなかったかな」と、しばらくは気にしてしまいました。
さっちゃんに限らず、他の子にはない「自分だけ違うもの」を持っている子は、悪意はなくても「変」と言われてしまうことがあります。
小さな子が自分や他人の違いに気づくのは、自然なことです。
外見や内面、さまざまな違いがあるけれど、みんな同じ人間なんだよ、とこの本を読んで子どもたちに感じてほしいです。