うちの上の子が絶賛!!
うちの子は「この本に出てくる魔女たちの中では、サーズが一番好き。個性があって、面白いよね」といってました。
実はサーズって、物語では好奇心旺盛な「小娘」呼ばわりされている魔女ですが、病気としては「SARS(重症急性呼吸症候群)」という恐ろしい病原ウィルスの名前で、2002年からの1年間に8000人の感染者を出し、そのうち1割がなくなるというものだったのです。
この作者は幼いころからの魔女好きで、本業はウィルス学者だそうです。その作者の血肉が、この物語をドラマチックに面白く作り上げてくれているようです。
この物語に登場する各「病気の魔女」は、サーズの他にもたくさん登場しますが、それぞれいろいろなところで流行った病気の病原体を指しています。
「薬の魔女」は、流行ってしまった病気に対するワクチンや薬草、青カビでつくったペニシリンなどの専門家という形で登場します。
それぞれの魔女たちが、それぞれの立場で活躍するさまは、なかなか見ごたえがあります。
また、物語の合間に、登場した病気や薬の魔女たちが実際ではどんな病気やワクチンであるかという説明も分かりやすく載っていて、とても勉強になりました。
この作品は、実生活の知識として役立つ上に面白い!ファンタジーと科学(医学)の世界が上手く絡み合った究極のコラボレーションだと思います。
字もやや大きめで、行間もファンタジー小説にしては広めにとってあります。ですから、長い本が苦手なお子さんでも、意外とすんなり読めるのではないでしょうか?
ぜひ、中学生・高校生くらいのお子さんたちに読んでもらいたい1冊です。