同じ粘土から生まれた二つのつぼにはそれぞれの人生が待っていました。素焼きされたあとすぐに捨てられた、ひびのいったつぼは、華やかなつぼに憧れていました。が、このひびのいったつぼにもやがて、クリスマスのピニャータになるという大役が回ってきました…。
メキシコのクリスマスのおはなしです。日本にはなじみのない習慣が丁寧に描かれています。ピニャータに変身したつぼを待ち受けていた過酷な運命。最後の最後で、「誰にもみんなそれぞれに値打ちがある」とつぼが悟る場面では、胸が詰まりました。つぼの一生に人の一生が重なる、ちょっぴり切ないおはなしです。補足の文章も添えられており、他国のクリスマスの習慣がよく理解できました。
読み終わって、ふと、『葉っぱのフレディー』を思い出しました。