太平洋戦争の最中に少年少女時代であった子どもたちも、すでに80年の年齢も重ねられ、戦後を生きてこられた方に違いありません。
そうした方々が、忘れることのできない戦争体験を語ってくれた、凝縮されたエピソード集です。
その時の年齢も場所も違う体験だけに、多岐にわたって戦争を感じ取り、考える重厚な絵本です。
無事であったからこそ語れることだと思います。
私自身も、多くの戦争体験者と話をする機会を得ました。
一様に語られることは、二度と戦争を起こしてはいけないという、強い願望です。
何故なら、戦争体験の中で多くの死を見てきた、人の醜さも見てきた、社会の矛盾も感じてきた人たちだからこその肉声だからです。
この絵本を完成を見ることなく亡くなられた方々が紹介されていました。
辛い思い出を語っていただいたことに感謝し、この本の願いが、早く人々に届くと良いと思います。