チリのイラストレーターによる作品。
川辺に住んでいる「わたし」は両親からむこう岸に入ってはいけないと
諭されています。
自分達と違う人たちが住んでいるから。
でもある日、むこう岸の男の子が手を振っていて、二人は交流始めるのです。
「わたし」が好奇心もあって、むこう岸に渡るシーンは、
こちらまでドキドキします。
確かに肌の色も、風俗も違うようですが、
「わたしたちはちがってる。だけど、とってもよくにている。」
の文章が印象的です。
だからこそ、「わたし」の夢は、この川に橋をかけることなのです。
偏見のない少女の心が感じたことが、純真で素敵です。
平和を願う絵本に分類されているのも納得です。
中南米は侵略の歴史を持つので、そのあたりも考えると複雑ですが、
素朴に平和への想いを抱く少女の姿が嬉しかったです。
原書はもちろん、スペイン語。
原書の言葉の響きも読んでみたいです。