ふれるものをみな芸術作品にしてしまうと言われたイタリアのブルーノさん、芸術的ではない感想になるけれど、ごめんなさい。
前にレビューした「きりのもりのもりのおく」と同じように、トレーシングペーパーを使った霧の風景の表現がとても素敵です。
(念のために言っておくと、これは1968年の作品ですから、「もり」よりずっと前に発表されています。)
霧の風景はここでは、森ではなく街です。霧の向こうに現れるのはサーカス!ここから今度は普通の紙になり、モダンな色調と丸い切り抜きを駆使した、白昼夢のような不思議なサーカスが始まります。終わると再び霧。
昔見たイタリア映画とフランス映画の混成のような「デザイン帳」と言ったら良いのでしょうか?
古書店でたまたま見つけて、とても得した気分です。
絶版のようですが、図書館などで見つけてみてください。