本にもやはり読む時期というのはあるだろう。
例えば、ディケンズの『クリスマス・キャロル』はクリスマスの頃に読むのがベストのように。
絵本の場合は特に季節感が出やすいので、読む時期は強く出る。
本屋さんや図書館に行くと、その季節に合った絵本が前面に飾られている。
この一見季節感のないタイトルのこの絵本も実はその内容はとても季節感を持っている。
それはクリスマス。
この絵本はとっても素敵なクリスマスの贈り物のお話なのだ。
(それを知らずにタイトルに惹かれて読んだのですが)
学校が休みの水曜日、女の子はいつも本屋さんに行く。
そして、そこで必ずおじいさんに会う。
おじいさんはいつも分厚い本をじっくり読んでいる。それは昔の戦争の本だけど、いつもそれを読んで、時には涙をこぼしたりして いる。
けれど、おじいさんはそんな本を買うことはない。いつも少しずつ読むだけ。
ところが、クリスマスまであと三日、おじいさんのあの本が本屋さんの棚から消えてしまう。
本屋のおねえさんが、クリスマスのプレゼントに売れたと教えてくれた時の。おじいさんの寂しそうな背中。
でも、そんなおじいさんにおねえさんが差しだしたのは、クリスマスのプレゼント。
その中身について、この絵本では何も書いていないが、きっと誰もがわかるはず。
これは、そんな素敵なクリスマスの絵本だ。
それを知らずに読んだ私だが、本屋さんは水曜日やクリスマスに限らず、いつもほっこりしていると思っている。