不思議な題名がずっと気になっていました。
しかも、戦争、というキーワード付きで。
実に奥深いファンタジーでした。
主人公はチト少年。
チトが成長するにつれ、大人たちの世界の矛盾に気づく、という訳です。
実は、チトには、不思議な親指があり、触れると、植物が生えるのです。
その能力に気づいたチトは、大人社会の矛盾に疑問を感じ、
植物を生やすことで、変革をもたらすのですね。
究極は、戦争を未然に防いだことです。
これだけでも、十分風刺が効いていますが、
ラストには、驚きのフィナーレが待ち構えています。
語り口は、子どもの読者に語りかけ、
子どもの特性を褒めてくれるようで、嬉しいところです。
大人にとっても、子どものピュアな心で見透かされるようで、
襟を正したくなる思いです。
小学校高学年くらいから、大人にとってもたくさんの示唆があると思います。