1963年刊行。野ねずみのぐりとぐらが、森の中で巨大な卵を見つけ、カステラを作る話。
私が子どものころからあった絵本。何度読んでも、平和で楽しい、おいしい。黄色いカステラを森の動物たち全員にふるまう場面が一番好きだ。世界平和は、こんな感じだろうと思った。
大人になってから再読してみると、今度は突っ込みどころが満載。
巨大なフライパンがどうして家にあったのか?
卵の殻で作った自動車の動力は何なんだ?
カステラの分配でもめなかったのか?誰が一番最初にもらったのか?などなど、絵を見ながら、いろいろ細かいところを、どうでもいいところに妙にひっかかりながら、楽しく読了。
何度読んでも楽しい気分だ。
困ったことに、これを読むとカステラや、黄色い焼き菓子を食べたくなる。カステラ、ホットケーキ、マドレーヌ…焼き菓子いろいろ。
美味しい紅茶やコーヒーを淹れて、ふっくら柔らかい上等の焼き菓子を食べられるのは、大人の特権。
子どものころは、本書のカステラをどうしても作ってみたかったが、作り方がわからないし、それらしいものを作ってみても何か違ういまいちなものが出来上がってがっかりしていた。
大人になって、上手に焼き菓子が焼けるようになったり、自分で作れなくてもお金を出して買ってきたりできるようになったりして、よかったと思う。
物語を読み終わった後にも、自分で物語の続きを体験できる絵本、と言える。
是非、カステラを作ってみてください。