安野光雅さんの絵本が好きで、こちらでのレビューを参考に本を探していたところ、この絵本をみつけました。
タイトルの「ふしぎなたね」とは、仙人がある男にくれた2つのタネ。
1個食べると1年間おなかが空かない、1個地面に埋めると翌年の秋には新たなタネが2個実る、というものなんです。
もらった男は、数年間は律儀に1個食べて1個埋める、、、を繰り返していたのですが、あるときふと、2個とも埋めると翌年には4つに増えることに気づきます。
さぁ、ここからが数学の世界です(笑)。
4つに増えたタネ、1個食べて3個埋める→6個実る。
6個のうち1個食べて5個埋める→いくつになる?
これがどんどん繰り返されていきます。
そのうち家族が増えて食べる数が増えたり、知人にふるまったり、貯蔵したりして計算が複雑になっていきます。
ストーリーを追いながらついつい計算したくなります。
息子もまだよく掛け算がわからないながらも、指を折りながら一生懸命数えていました。
でもこの本は、算数だけじゃないんです。
ラスト近くで、主人公にはアクシデントが待っています。
それを乗り越えて、また始まる新たな暮らし。
この社会の縮図かな、なんて思わせられました。