小さな思い出の積み重ねの上に今の自分がいるということが感じられる絵本だと思いました。
この絵本に出てくるように子どもの取っておきたいものって、大人から見ると「あれ?」「これ?」と思うようなものばかりなんです。
おまけについていた紙だったり、工作の切れはしだったりと。
私も子どもの頃に、ハーモニカの箱に入っていた紙を母に捨てられて怒ったことがありましたっけ。
この絵本に出てくるママは、けんちゃんのたからものにまつわる宝物の思い出を丁寧に聞いてあげるので、その辺がとても優しいなあと思いました。
こんな風に時間をかけて聞いてあげたら、子どもの心も満足するでしょうし、話やすいでしょうね。
物が捨てられないのではなくて、物にまつわる大切な時間や思い出が捨てられないんだなあと思いました。
親子で過ごす何気ない時間の中に思い出って凝縮されていくものなんですね。