テンポのいい落語絵本です。
落語のオチがわかるようになる小学校高学年からの読み聞かせにぴったりだと思います。
大人にもおススメできます。
子どもが生まれたというのに、どうしようもなくふがいない男の前に
現れた、しにがみ。
ところがこのしにがみ、名前とは裏腹にえらく親切なんです。
題名が「しにがみ」でなく「しにがみさん」としてあるのも、この妙に人間臭いどこかユーモラスな、しにがみの雰囲気を表している気がします。
情け深いしにがみのおかげで、金持ちにしてもらったのに
お金を湯水のごとく使い果たして、男はまたどうしようもない状態に
逆戻りします。
またもや、しにがみの情けで助けてもらうのですが、そうそう現実は
甘くありません。最後は落語お決まりのオチがつきます。
人間の寿命を表すロウソクが、一面に出てくるシーンは圧巻です。
悲しいかな、金に目がくらむと人間こうなるという戒めの絵本ですね。