この話は、実際にあの大震災で起きた津波に巻き込まれ、亡くなった大川小学校の児童のお母さんたちの言葉や想いを集めた作品でした。
起こったこと、なくされた命の大きさ悲しさは十分伝わりますが、この作品は、あえて読者に辛さや悲しさを伝えるような描き方をしておらず、
辛い大きな事件の後で、ひたむきに一生懸命前を向いて進んでいこうとするご遺族の力強さをとても感じました。
松成さんの明るい暖かさが伝わってくる絵で描かれていたのも、こういう気持ちで読めた大きな影響だと思います。
絵文字も大きく読みやすく、読み聞かせ等に使うには素晴しくお勧めできる作りをしている作品ですが、
この作品を子どもたちに読み聞かせたりブックトークするときは、くれぐれも読み手が感極まらないよう十分練習をして、
聞き手に絵本の内容のありのままが伝わるようにしなければならないと思うので、
これはかなり難しいかもしれません。
でも、とてもいい絵本なので、まだ読んでいない方、機会があったらぜひ、手に取ってみてください。