表紙では眠っているように見えたうさぎが、実は死んでいた。こんショッキングな場面から、この絵本ははじまります。でもやわかな色合いの絵のおかげで、いくぶんショックはやわらぎます。
ルーピースー、という透明感のあるきれいな響きの言葉の意味は鹿皮色ということを知りました。死んだあとに、こんなきれいな名前を付けられる、というのも不思議な感じがしました。ルースーピーとの生前の思い出はないのに、女の子たちがこんなに思いやれるのがすごいなと思いました。
人間をはじめ生き物はすべて土に還る運命です。うちの庭でもせみやちいさな虫たちがたくさん死んでいて、その上にきれいな花が咲いています。死は、新しい命の糧になります。でもわたしは今までそれを「うらやましい」と、考えたことはありませんでした。