終戦記念日も近い今、ちょっと大人に近づいた子どもたちにどうぞ。
幼い子には、ほんとうの物語だけに、辛すぎるかも。でも、いつか戦争のこと、いのちのことを考えて欲しいと思うとき、良い材料になると思います。
作者は、ある少女エリカと出会う。自分の親も、誕生日も知らない。しかし、両親に、心から愛された証として今、生きている。彼女は、ユダヤ人。そして、捕虜収容所に送られる列車の窓から、おくるみにくるまれて、外に投げ出された赤ん坊なのだ。赤ん坊を投げ捨てると言う究極の選択。それしか、自分の子どもを守る術がなかった。その赤ん坊は生き延びた。これぞ‘奇跡の命’なのである。
絵の確かさ、美しさ、抑え目の色彩。すべてがこの物語をしっかりと支えていると思います。