ひみつの海でできた友達・野蛮人のウナギ族にして、水先案内人の“マストドン(ドン)”があまり目立たないけれども、物語の中で結構活躍してくれています。
ホントにいつも感じることなのですが、ランサムの物語はシリーズが増えるごとに登場人物たちも多くなるのに、決して話がごちゃごちゃしないんです。
とにかくどれを読んでも面白い!それぞれの物語(一話上下巻で完結)にそれぞれの魅力があるのに、ちゃんと一本筋の通ったものが見えるんです。
子ども達のチャート作りも後半に入り、どんどん仕上がっていきます。
チャート作りに一番熱心なのはジョンとティティです。二人ともこういう地道に頑張る作業が向いているんですね。
ブリジットは『ウナギ族』の“いけにえ”になる役を仰せつかり、わくわくしています。このブリジットのおかげで、マストドンの心を悩ませていた問題も、難なく解決してしまうところは、さすが、ランサム!子ども通しの交流のいろはをわかっていらっしゃる。という感じでした。
下巻で最もドキドキするところは、章タイトルで“紅海横断……エジプト人”のところでした。
このタイトルの意味も前半のほうにちゃんと伏線が書かれています。
この「ひみつの海」の下巻ではティティとロジャがとても活躍します。
この、“紅海横断……エジプト人”の事件もあり、最後まで完成していなかったチャートを気に病んでいたティティがとった行動は?
読んでからのお楽しみです。
1つ前のおはなし『海に出るつもりじゃなかった』と合わせて、スリルを味わえる冒険談というより探検物語になっています。
《ツバメ・アマゾン・ウナギひみつ多島海探検隊》
ぜひ、たくさんのお子さん達に手にしてもらいたいです。宝物のような作品です。