話題
うごく! しゃべる! ぬりえーしょん 恐竜

うごく! しゃべる! ぬりえーしょん 恐竜 (小学館集英社プロダクション)

お子さまの塗ったぬりえが、アニメーションになる!フランス生まれの画期的なぬりえシリーズ!

  • 盛り上がる
  • ギフト

ふつうのくま」 ルートビアさんの声

ふつうのくま 作・絵:佐野 洋子
出版社:講談社 講談社の特集ページがあります!
税込価格:\1,100
発行日:1994年11月
ISBN:9784062072472
評価スコア 4.57
評価ランキング 5,871
みんなの声 総数 6
  • この絵本のレビューを書く
  • 勇者

    くまは、せんぞだいだい、どんなにはちみつをたくさんなめても、ドーナツでおなかいっぱいになっても、
    もしかしたら たべればたべるほどさびしいのだ。
    それは、とだなのなかにある 赤いじゅうたんのせい。
    おじいさんのおじいさんのおじいさんのおじいさんが 空をとんだ、赤いじゅうたん。
    主人公のくまのお父さんは、最後まで、じゅうたんで空をとぶ勇気が持てなかった。
    「いっしょうかかっても、ゆうきをもつことは むずかしいものだ。 
    おまえがそらをとべるくまだと わたしはうれしいけどな」
    彼はそういって死んでしまった。

    くまは、毎日葛藤しています。
    空を飛ぶなんて、どんなにおそろしいことだろう。
    そして、どんなにすばらしいことだろう。

    本当の勇気とは。そして、勇者とはなんだろう。
    このお話を読みながら、そんな事を考えました。
    かつて読んだおとぎばなしに出てくる、とらわれの姫を救い出した勇者も、
    旅立つまえは、このくまのように、ぶるぶると身を震わせたのかもしれない。
    だらだらと涙をながしたのかもしれない。何度も何度も、焦燥の日々を繰り返したのかもしれない。
    または、ドラゴンをやっつけながら、恐ろしさに目をつぶったかもしれない。
    髪は、恐怖で白髪になったかもしれない。
    現実にも、勇気をもって偉業をなしとげたとされる実在の人物は数多く存在しますが、
    彼らもそうだったのかもしれない。

    くまはやがて、恐怖におびえながらも立ち上がります。空を飛ぶために。
    くまの家の床下にすむネズミは、彼をとめます。
    「もどってこれないかもしれないじゃないか」
    くまが空を飛ぶ決心が出来たのは、この小さなネズミが、彼のそばにいつもよりそっていたからかもしれません。

    佐野さんの本は、切り口が一風変わったところがあって面白いですね。
    くまの焦る気持ちや、ネズミが彼を心配する気持ちがよく伝わります。
    最後も、文句なし!
    (全部ばらしてしまうと、読む楽しみがなくなってしまうのでここには書きませんが)
    大方の勇者って、こういうものなのだろうなあ、と思ってしまいます。

    ネズミがラストでつぶやく、「いまのいまがしあわせだね」という言葉が、じわっときます。

    投稿日:2006/04/11

    参考になりました
    感謝
    0

※参考になりましたボタンのご利用にはメンバー登録が必要です。

さらに「ふつうのくま」のみんなの声を見る

「ふつうのくま」にみんなの声を投稿された方は、こんな絵本にも投稿しています

はらぺこあおむし / しろくまちゃんのほっとけーき / ぐりとぐら / きんぎょがにげた / いないいないばあ / もこ もこもこ / はじめてのおつかい / ねないこ だれだ / おおきなかぶ ロシアの昔話 / だるまさんが

絵本の人気検索キーワード

ぐりとぐら /  はらぺこあおむし /  バムとケロ /  こびとづかん /  はじめてのおつかい /  そらまめくん /  谷川俊太郎 /  ちいさなちいさな王様 /  いないいないばあ /  いやいやえん /  スイミー /  飛び出す絵本

出版社おすすめ



【連載】絵本ナビ編集長イソザキの「あたらしい絵本大賞ってなに?」

みんなの声(6人)

絵本の評価(4.57)


全ページためしよみ
年齢別絵本セット