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2022.05.26

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作家が語る「わたしの新刊」 しおたにまみこさん『さかなくん』 (偕成社)

水の外の学校に通うさかなくんの世界を魅力的に描き切った力作!『さかなくん』
『そらからきたこいし』で2018年に絵本作家デビューしてから、『やねうらべやのおばけ』『たまごのはなし』(ブラチスラバ世界絵本原画展金牌受賞/ブロンズ新社)と1作ずつ大切に絵本を描きつづけているしおたにまみこさん。4作目となる絵本は、水中で暮らすさかなくんの、水の外の学校での生活を描いた『さかなくん』です。新たな表現に挑戦した本作について、しおたにまみこさんにお話を伺いました。

  • さかなくん

    出版社からの内容紹介

    さかなくんは、さかなですから水の中で暮らしています。小学校に行くときは、ゴムのズボンをはいて、水でいっぱいのヘルメットをかぶって、ひれにはクリームを塗って……と、ひと仕事。でもきゅっきゅと歩いて通う小学校をさかなくんは好きなのです。ただ、ひとつ、体育の時間だけはきらいでした。なぜなら、さかなくんは走るのが苦手だから……。
    さかなくんの暮らす世界を魅力的に描ききった一作。私たちと同じようなごく普通の毎日だけど、どこかちがう、そんな世界をたっぷり味わえます。

今回の主人公はどんなふうに決まりましたか? 

うろ覚えなのですが、たぶん、プールのような家ってすてきだなと思い、プールなんだから住んでいるのは魚だなと思い、わざわざ陸上でプールの家に暮らしてるのだから、水の外でも活動しているはずだと思ったので、水入りヘルメットを装備した小学生になったのではないかと思います。

動物と人間が一緒の学校に通っている(そしてみんなサイズが同じ!)世界には、なにか込められた思いがあるのでしょうか。

てっきり絵本ではよくあることだと思っていました。
ですが、ヘルメットをつけた魚しか出てこないと、ほかの惑星のはなしのようですし、さかなくんのほかは人間にしてしまうと、さかなくんが本当に特別な存在になるか、何かの比喩になってしまうのでいやでした。
大きさについてはあまり考えずに絵を描いていましたが、「さかなくん」の世界を身近に感じてもらうには大きさをそろえて良かったと思っています。

細かく描きこまれた絵はすみずみまで見たくなります。なにか「ここに注目してほしい!」という部分はありますか?

さかなくん以外の子たちも給食のときなど、それぞれそこそこ苦労しているので、みてみてください。

しおたにさんのお気に入りのシーンはありますか?

登校中のページと教室のページが結構すきです。

これまでの木炭で描かれたモノクロ基調とはちがう、色とりどりの絵になさったのはなぜですか。

さかなくんたちには「静か」というよりも、「楽しい」のほうがいいと思ったからです。

これまでの作品と違う手法で、なにか描いているときの気分などに変化はありましたか?

色をつけることで、手順が変わりしばらく混乱したのですが、色があることで、細かく描きこまなくてもいいか、と思えたので、絵がすこし軽くなったのではないかと思っています。

今後の作品もますます楽しみです! お話をお聞かせくださりありがとうございました。

 

この書籍を作った人

しおたに まみこ

しおたに まみこ (しおたにまみこ)

1987年、千葉県生まれ。女子美術大学工芸学科卒業。背景美術制作会社勤務を経て、絵本作家となる。はじめて制作した絵本『やねうらおばけ』が、2014年第15回ピンポイント絵本コンペ優秀賞を受賞。繊細な鉛筆画で描き出す独特の世界が、読者を引きつける。作品に『そらからきたこいし』『やねうらべやのおばけ』(ともに偕成社)などがある。東京都在住。

偕成社のウェブマガジン Kaisei Web はこちら

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