- あっちゃんあがつく たべものあいうえお
- 原案:みね よう
作:さいとう しのぶ - 出版社:リーブル
うたって、あそべて、たのしめる、愉快な「たべものあいうえお」。「あ」から「ん」まで、濁音、半濁音も含めて69音すべてが登場。名前の頭文字で「ことばあそび」もできます。
───今回、あらためてさいとうさんの作品を読ませていただいたのですが、食べ物がどれも本当に美味しそうで…。私、食べ物を美味しそうに描いてくれる絵本作家さんの作品を無条件で信頼してしまう癖があるんです(笑)。
ありがとうございます。『あっちゃんあがつく たべものあいうえお』を出したときは、こんなに長く皆さんに愛される作品になるとは、思っていませんでした。
───さいとうさんの描く食べ物は美味しそうなのはもちろん、手足が付くことで、キャラクターとしての表情や動きなどがとっても豊かなんですよね。
この絵を描くとき、どんな構図にしようか、すごく悩んだんですよ。「あっちゃん」という子がアイスクリームを食べている絵にしようかな…。でもそれだと全部食べ物を食べている単調な絵になるな…って。そうして歌を口ずさんでいたら、ふとアイスクリームが踊っている絵が浮かんだんです。「これだ!」って思って、食べ物が色々遊んでいる絵にしようと決めました。
───生まれたばかりのとんかつの赤ちゃんを周りの調味料があやしていたり、てまきずしがバレエを踊っていたり、ひとつひとつの絵の中にストーリーがあって、どのページから見ても楽しめるんですよね。
絵を描くときに気をつけたことなどありますか?
子ども達は絵本の中で自分の身近にあるものが出てくるととても喜ぶんですよ。なので、出来る限りリアルなものを描きたいと思って、『あっちゃんあがつく』のときには、登場する食べ物を実際に手元に置いて描きました。
───だからこんなに美味しそうなんですね。
───え…。あ、本当だ!
あと、「ぐ」の「ぐりんぴーすいくつ?」の答えがどこかに描いてあったり、絵本の中で1つだけ3時の時計があったり、読めば読むほど発見があるような絵本にしたいと思って描きました。子ども達は本当によく読んでいてくれて、サイン会などがあると「ここに時計があるよね!」と教えてくれたりします。是非、探してみてください。