いきもの どんなうんち?
- 出版社:
- 交通新聞社
絵本紹介
2023.10.23
お風呂が苦手な子に手を焼いちゃうこともあるでしょう。その時の気分で「入りたくない」と駄々をこねたり、洗髪を嫌がったり。いつかは必ずできるようになるとわかっているつもりでも、ヤキモキして親の方が余裕がなくなって、それが子どもに伝わり悪循環……なんていうことも多いですよね。
子どもたちにとってトイトレやお風呂が少しでも楽しい時間になりますように。そんなテーマで絵本をピックアップしました。
排泄や生活習慣に対して「しなくちゃいけない」ではなく、シンプルにおもしろい!楽しい!と心をくすぐってくれる登場人物やおはなし。一緒に読めばきっとママとパパの気持ちも軽くしてくれると思います。心強い絵本をお供に、時に子どもと笑いながら、気長にその成長の一歩を見守っていきましょう!
みどころ
大好きなおふろに入りながら、たろちゃんとかばちゃんはこんなことを言います。
「きょうも みんなの おふろに はいりにいこうか かばちゃん」
「そうだねえ たろちゃん」
早速ふたりはトロッコ列車に乗り込んで、がたんごとんと出発です。
「おふろ おじゃまします」
最初に着いたのは、うさぎちゃんのおふろ。ぷくぷく、もこもこ、あわのおふろ。次におじゃましたのは、ぶたちゃんのどろんこぶろ。がたんごとん、さらに進むと森の中。しかさんのおふろはほかほかサウナ。天井裏にはふくろうさんのおはなしおふろ。さらにさらに、たこさん、わにさん、ぞうさんのおふろまで。みんなのおふろ、楽しいねえ! トロッコ列車は岩山をのぼり、もうすぐ「やまのてっぺん駅」。そこで待っていたのは……!?
おふろと言っても、こんなに色々あるなんて。見てください、おじゃまする時のたろちゃんとかばちゃん。ワクワクしているのが全身から伝わってくるようです。人気絵本作家たしろちさとさんが最新作で手がけたのは、おふろの絵本。かわいいけれど、スケールは壮大です。なんてったって、最後は動物たちがみんな一緒に入れるんですからね。観音開きでバッシャーンと画面が大きく広がるシーンの爽快感といったら。
気がつけば、心もからだもぽっかぽか。たろちゃんとかばちゃんじゃなくたって、おふろが大好きになっちゃいますよね。最後はやっぱり自分のうちのおふろ。またみんなで入ろうね。
この書籍を作った人
東京都生まれ。大学で経済学を学んだ後、4年間の会社勤めを経て、絵本の制作を始める。世界的編集人、マイケル・ノイゲバウアーが見出し、「ぼくはカメレオン」で世界7カ国語同時デビュー。『5ひきのすてきなねずみ ひっこしだいさくせん』で2011年日本絵本賞を受賞。作品に、『ぼくはカメレオン』(グランまま社)、『すずめくんどこでごはんたべるの?』(福音館書店)、『くんくん、いいにおい』(グランまま社)、『ポレポレやまのぼり』『どうぶつどんどん』(大日本図書)、『はなびのひ』(佼成出版社)、『ぼくうまれるよ』(アリス館)などがある。神奈川県在住。
文:竹原雅子 編集:木村春子