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出版社エディターズブログ

2024.08.29

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作家が語る「わたしの新刊」前からとうしろから、2つのお話を楽しめる!『うみへ やまへ』三浦太郎さんインタビュー (偕成社)

2024年、絵本作家デビュー20周年を迎えられた、三浦太郎さん。その三浦さんが50作目の絵本として描いたのが、『うみへ やまへ』です。前から読むと、主人公が「うみへ」むかうお話。うしろから読むと、もうひとりの主人公が「やまへ」むかうお話が楽しめます。この作品について、作者の三浦太郎さんにお話を伺いました!

  • うみへ やまへ

    出版社からの内容紹介

    きょう ぼくは はじめて おとうさんの うまれた うみべのまちへ いきます。

    「ぼく」は家族で白い車に乗って出発します。牧場をこえて、田んぼの一本道を通り、街なかをすぎて、大きな橋をわたったら……灯台が見えてくる!
    山沿いの家から海辺の町へむかう道中の風景を、美しい絵と日記ふうの文体でえがきます。

    この絵本には、もうひとり主人公がいます。
    本をうしろから開くと、海辺にすむ「わたし」があかい車に乗って、母方の祖父母を山のふもとへ訪ねるお話になるのです。
    前からとうしろから、ふたつのお話が楽しめる絵本です。

この人にインタビューしました

三浦 太郎

三浦 太郎 (みうらたろう)

1968年愛知県生まれ。大阪芸術大学美術学科卒業後、イラストレーターとして活動。ボローニャ国際絵本原画展で入選を重ね、スイス、イタリア、スペインなど海外でも絵本を出版。絵本作品に、『くっついた』『ゴリラのおとうちゃん』(こぐま社)、『ちいさなおうさま』『おおきなおひめさま』(偕成社)、『バスがきました』(童心社)、『おしり』『よしよし』『りんごがコロコロコロリンコ』(講談社)など多数。

前からもうしろからも読める絵本作品をつくられたのは初めてだと思いますが、どのようにお話のアイディアを組み立てられたのでしょうか。

この絵本のタネを思いついたのは、だいぶ前のことになります。いちばん古いデータは2017年の11月で、仮のタイトルを『くるまくるまくるま』とつけています。

アイディアを練っていくうちに、これはうしろからも読める絵本になるのではないかと気がつきました。2021年ごろ、『うみへ やまへ』というタイトルが決まり、前後の日記のページもついて、急速に内容がまとまったのを覚えています。

『うみへ やまへ』という絵本でやりたかったのは、山に降った一滴の雨の雫が海まではるばる流れていくような普遍的なイメージに、ロードムービーのような、どこのうちにもありそうな帰省のお話をのせること。絵をあえて大人っぽく仕上げたので、描くのはとても楽しかった。

絵はどのように描かれましたか?

鉛筆で描いたラフスケッチからパソコンのソフトIllustratorで絵を起こしたあと、Photoshopで色ごとに版を分けます。各色の版をモノクロでプリントして、それをさらにスキャンします。またPhotoshopに戻して色をつけ、液晶ペンタブレットで加筆していきます。このままではフラットなベタ面になってしまうので、ペイントローラーを使ったオリジナルのテクスチャを加え、ざらっとした質感を出します。これに、版画のようなインクの重なりと、版ズレの効果を出して、完成です。

このやり方は、学生時代に専攻していたシルクスクリーンをパソコンで擬似的に再現しているもので、決して難しい技術ではありません。タブレットなどでもできるので、興味がある方は試してみてはいかがでしょうか?

「うみへ」の主人公にとっては「おおきなえき」も、「やまへ」の主人公がみると「いなかのえき」だったり、見なれた場所が遠くからきた子にとっては新鮮な風景だったり。同じ風景でも、人によって見え方がちがうのがおもしろいですね。

そうですね、旅をしていると、人は世界中どこにでも住んでいて感心させられます。昔話の海彦山彦ではないですが、山に暮らす者が海へ向かう目線だけでは、一方通行でイメージが広がらないので、うしろからも読めるようにしたというわけです。住んでいる場所で価値観が異なることはよくありますよね。できるだけ、うみの子とやまの子の感じ方の違いを出すように工夫しました。

続きは偕成社のウェブマガジン<Kaisei web>へ

<出版社ページ>偕成社

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