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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  イギリスの国民的作家が愛情を込めて描く両親の実話『エセルとアーネスト ふたりの物語』レイモンド・ブリッグズさんインタビュー

あちこちに登場する「エセルとアーネスト」

カミーラ:「エセルとアーネスト」だけでなく、たとえば『ジェントルマンジム』や『風が吹くとき』の登場人物もご両親を思わせるわね。

ブリッグズ:それは、そうだね。僕が一番よく知っている中高年の人間といえば彼らなんだから(笑)。中高年の夫婦と爆弾というテーマで書こうとすると、どうしても両親に似たキャラクターになってしまう。よく知っている唯一の人間だからね。


扉ページより エセル(左)とアーネスト(右)

カミーラ:ほかにも両親をモデルにしたキャラクターはある?

ブリッグズ:さむがりやのサンタ』に出てくるかな。プレゼントを配達中のサンタに出会って「まだおわらないのかい」と話しかけるのが父親をモデルにした人物だ。サンタも、暗いうちに家を出て仕事に出かけるという意味では、父親と共通しているところはあるよ。牛乳配達は真っ暗な中で一人だけ起きて働いているんだから、すごくきつい仕事だよね。父が仕事に行く前に僕のベッドにお茶を持ってきくれたことをよく覚えているよ。世間では8時にデスクに座っていれば上々なのに、父はその何時間も前から働いていたわけさ。

カミーラ:絵本には出てこないけれど、お母さんは料理上手だった?

ブリッグズ:母はメイドだったからかもしれないけど、料理はとても上手でおいしかったよ。クリスマスは、あの小さなガスコンロでよくこんなごちそうができるなという料理を作ってくれた。ケーキ作りもとても上手だったね。


キッチンの様子

完成した映画を観て

カミーラ:映画で吹き替えをやったエセル役のブレンダ・ブレッシンとアーネスト役のジム・ブロードベントの録音に立ち会ったときのこと覚えてる? 私はてっきり、あなたが酷い風邪をひいているんだと思ったのよ。あまりにハンカチを使うものだから。でも風邪ではなくて泣いていたのよね。

ブリッグズ:まるで、両親がそこで話してるみたいだったんだよ。 背後の真っ暗な空間から声が聞こえてきて、父と母が実際にそこにいるような感じで感動してしまった。あれはとても不思議な体験だった。

カミーラ:完成した映画を観てどうだった?

ブリッグズ:どうだったかって? ああ、とてもいい映画だね。すごく好きなんだけど、個人的には恥ずかしい気がするんだ(笑)。僕にとっては感情的になってしまう映画だね。観るたび胸が苦しくなるから、まだ3回しか観てないんだよ。好きなのに、自分を無理やり奮い立たせないと観られないんだ。


映画『エセルとアーネスト ふたりの物語』冒頭の実写部分

次のページから、訳者・きたがわしずえさんのインタビュー、映画情報を掲載します!

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レイモンド・ブリッグズ

  • 1934年イギリス ロンドンで生まれる。『さむがりやのサンタ』(福音館書店刊)でケイト・グリーナウェイ賞、『スノーマン』(日本では評論社から『ゆきだるま』のタイトルで出版)でフランシス・ウィリアムズ・イラストレーション賞を受賞。「スノーマン」「さむがりやのサンタ」はビデオ化されている。

作品紹介

エセルとアーネスト ふたりの物語
作:レイモンド・ブリッグズ
訳:きたがわ しずえ
出版社:バベルプレス
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