今回ご紹介するのは、チェコからやってきた、とってもカワイイ女の子「アマールカ」。アマールカは今、大人の女性を中心に、人気急上昇中のキャラクターです。コスメやファッションブランド、カフェとのコラボ企画をはじめ、DVDブックや絵本も発売され、2013年9月には大々的なプロジェクトも開催されます。そんなアマールカ、チェコでは「おやすみアニメ」として、40年愛されているキャラクターなんです。今回、アマールカの魅力をさらに知るために、アマールカを日本に紹介したアットアームズの眞部学さん、絵本アマールカを編集・出版しているLD&Kの谷口周平さんに、おはなしを伺いました。
●アニメを見てリラックス! 究極のおやすみアニメ「アマールカ」
───アマールカのDVDを拝見して、アマールカのかわいさ、優しいストーリーにたちまち惹き込まれていきました。この「Amalka book(アマールカ ブック)」にはアマールカの魅力がたっぷり詰まっていますね。ナレーションと音楽もアマールカの世界にピッタリで、見ているとだんだんうつらうつら眠たくなってきて…(笑)。とても癒されました。
谷口:ありがとうございます。そもそも、この「Amalka book」はアマールカの魅力をどうやったらより伝えられるかを考えて作った形なので、とても嬉しいです。
───DVDと本が一緒に楽しめるDVDブックは、とてもお得な感じがして嬉しいですが、どうしてDVDブックでアマールカを紹介しようと思ったのですか?
谷口:私の所属しているLD&Kは、アーティストのCD制作やライブ活動など音楽事業を中心にしている会社なんです。弊社所属のアーティストに「羊毛とおはな」というデュオがいまして、絵本のようなやさしい曲が女性に人気なんですね。彼らの作る曲とアニメをコラボしたいと思っていたときに出会ったのがアマールカだったんです。 アマールカのかわいさが気になって、試しにアニメと「羊毛とおはな」の曲をあわせてみたんです。
そうしたら、アマールカが1.5倍ほど可愛くなったように感じて(笑)。「ゼロからキャラクターを作ってコラボするよりも、アマールカも一緒にプロモーションしていきたい!」と思ったんです。ちょうど同じ頃に、アマールカがチェコで「ヴェチェルニーチェク」という、子ども達が寝る前に見るアニメだったと知って、何てキャッチーなんだと思いました。
───日本にはない言葉ですものね。
谷口:リラックスアイコンとしてアマールカをまだ見ぬ人たちに紹介したいと思い、「おやすみアニメ」というわかりやすい言葉を使いました。そして、ナレーションをガール誌などで人気のシンガー・南波志帆さんにお願いし、音と言葉の両方でリラックスできるようにDVDブックの制作を考えました。
───日本で紹介するために、オリジナルをあえて変えようと思ったんですね。
谷口:はい。チェコ版のアマールカは男性がナレーションしているんですよ。日本のアマールカを知っている人がチェコでアニメを見たら、戸惑うかもしれませんね。
「Amalka book」では、DVDを見ながらよりリラックスしてもらえるように、ハーブの情報や快眠セラピー、チェコについてのコラムなどを掲載し、女性に楽しんでもらえる、ライフスタイルマガジンのような内容を目指しました。
【おはなしと歌】 『冬を迎えた日』♪Winter Warm/湯川潮音 【BOOK内容】 70年代から今までずっと、東欧の小さな国チェコの国民に愛され続けている “おやすみアニメ”『アマールカ』のアニメーションとアマールカの魅力や チェコのまめ知識など、おやすみ前にペラペラめくって楽しいブックが セットになったDVDブック第1弾。
●アマールカのかわいさが絵本になって楽しめる!
───絵本版『アマールカ』もシリーズ化して、発売されていますよね。
谷口:『森番をやっつけた日』から『王様になった日』まで全6作がシリーズになっています。
───DVDブックと絵本では、制作方法が異なると思いますが、特に絵本で大変だったところはどこですか?
谷口:アマールカの絵本は本国であるチェコでも出版されているのですが、私達はアニメの持つ可愛い動きや表情、素朴でゆるい雰囲気を感じてほしくて、アニメ画像から絵本の絵を選んでいます。動きのあるアニメからセレクトするので、たった数秒コマが違うだけでも別人のようにかわいくないアマールカがいることもあるんですよ。かわいい表情、動きを選ぶのにはかなり苦労しました。
───絵本の文章がとても美しく、リズミカルで声に出すと心地よく響いて、リラックスできました。
谷口:絵本『アマールカ』の文章は、「Amalka book」でコラムをお願いした文筆家の甲斐みのりさんにお願いしました。絵本に出てくる「ルル ララ ルラル」という表現やアマールカの魔法の言葉「ドミソ!レファラ!」は、すべて甲斐さんオリジナルなんです。アマールカの魅力を理解している甲斐さんだからこそ生み出せる、女子のハートをぐいぐい掴む文章だと思います。
───「吹雪老人」や子羊の「巻き毛」、大男「のっしのっし」など、アマールカに出てくるキャラクターはみんなユニークで個性的な名前がついていますよね。なかでも気になったのが「カッパ」。カッパって、チェコにもいるんですか?
眞部:この「カッパ」は日本の妖怪ではなく、チェコ語で「ヴォドニーク(Vodník)」と呼ばれている想像上の生き物です。チェコは元々水の底 に沈んでいたという古い伝説があり、そのとき海の底に棲んでいた知性の高い生物が「ヴォドニーク」だったといわれています。アマールカ では、いたずら好きなキャラクターとして登場 しているので日本人にも分かりやすい「カッパ」 と名付けました。
───お二人が特に好きなアマールカのおはなしはどれですか?
眞部:まだ絵本になっていないですが、ぼくは「冬を迎えた日」が一番好きですね。 「吹雪の袋をなくしてしまう」というストーリーがとても良いなと思います。
谷口:私は「子羊を助けた日」。草を食べ過ぎた巻き毛の動きが非常にサイケデリックで(笑)。この表現は大人の女性が好きな感覚だと思っています。
眞部:「大男にプロポーズされた日」も良いですよね。好きじゃない男性のあしらい方とか、女性の共感度が高いんじゃないでしょうか。
───絵本「アマールカ」はどのように楽しんでもらいたいですか?
谷口:そうですね。小さいお子さんに自分のもののように大切にしてほしいと思い、少し小さいサイズの絵本にしました。甲斐さんの文章は読み聞かせとしてもオススメですし、かばんの中に入れて持ち歩いてもらい、ちょっと嫌なことがあったり、疲れたときに気軽に開いてもらえたら嬉しいです。女性が好むやさしい色合いをイメージしてデザインしたので、オブジェのように部屋に飾っても癒されると思います。