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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  虫とり絵本第2弾!『ふゆのむしとり?!』はたこうしろうさん、奥山英治さんインタビュー

強力助っ人登場! 「むしとり絵本」シリーズ第2弾のきっかけは…?

───前作『むしとりにいこうよ!』のインタビューのときは、はたさんのハムシ、ゾウムシ、フンチュウに対するふか〜い愛情を感じました。なので次回のインタビューではきっと、牧場にフンチュウを探しに行くと思っていました(笑)。(前作『むしとりにいこうよ!』インタビュー記事はこちら)

はた:フンチュウ、行きたいですよね〜。でも、今回は『むしとりにいこうよ!』と同じ場所で季節を変えたおはなしになりました。

───「ふゆのむしとり」…実際に今日、一緒に回って、あんなにもたくさんの生き物が見つかるなんて思ってもいませんでした。何より、奥山さんが私たちのどんな質問にも答えてくれるのがビックリで…。今回、奥山さんがこの絵本に関わられた経緯を教えてください。

奥山:元々、ぼくが開催していた「ダンゴウオ観察会」にはたさんが参加したのが知り合ったきっかけでした。そのときから、いつか2人で本を出版したいと話していたのですが、まさか絵本でそれが実現するとは思いませんでした。


虫とりの間、ほとんど無言だったはたさん(笑)。「久しぶりだったんで、夢中になっちゃいました!」

はた:『むしとりにいこうよ!』の次回作を作る打ち合わせを編集者さんとしていたとき、チョウについて知らないことが出てきて、奥山さんに電話で相談したんです。そうしたら、どんなチョウがいるか、どの木にいるか、すごく詳しく説明してくれて…。ぼくは冬の虫にはあまり詳しくなかったので、それならば…と思い、加わってもらうことにしました。

───はたさんはあまり冬に虫とりに行くことはなかったのですか?

はた:ぼくは兄の影響で、「オサ堀り」はしていたのですが、それ以外の冬の虫はあまり詳しくなくて…。

はた:オサムシの採集方法のひとつです。冬に河原敷などにある崖をスコップでほっていくと、オサムシやハンミョウが捕れるんです。夏よりも冬の「オサ堀り」の方が、採取率があがると言われるくらいメジャーな捕り方なんですよ。そういう絵本だったら作れると思ったけれど、崖を掘るというのが、危険な部分があり、絵としても地味かな…ということで止めて、ほかの冬の虫をメインにしようと考えていたんです。

───そこで奥山さんに声をかけたんですね。

はた:最初はチョウをメインにしようかと思って相談したんですが、話を聞くうちに、1冊にはまとまらないくらい沢山の昆虫が冬にも見つかることを聞いて…。それで今回も1作目同様、いろんな昆虫を紹介することができました。

───奥山さんの話で、一番驚いたのはどんな昆虫のことでしたか?



はた:
まず、クワガタが成虫で越冬することを知らなかったので、聞いた瞬間、クワガタをラストにしようと思いました。


奥山:コクワガタですね。早く生まれたりすると、成虫になっても冬場はエサがないので、夏になるまで木の中で待っている種類もいるんですよ。

はた:あと、イラガのマユの模様がひとつひとつ違う話も面白かったし、ミノムシのメスが一生ミノの中で過ごすという話も、生まれたばかりのミノムシが母親のミノから糸を出して風に乗って飛んでいくというのも知らなかったので、すごく面白かったですね。


奥山:不思議なのは、生まれたばかりのミノムシもちっちゃなミノをまとっているってことなんです。

───いったい、いつ、どうやって作っているのか、すごく気になりますね…。奥山さんは今回、はたさんと絵本を作ることになって、どう思いましたか?


何を聞いても答えてくれる奥山さん。一緒にいると、不思議と虫が見えてくるのです。

奥山:「うれし〜!」って思いました(笑)。ぼくは普段、自然について伝えるときは、子どもをメインにしているんです。それは、大人が今の自然環境を悪化させているという思いがあって、それを守るには、子どもに今のフィールドを教えることが重要だと思うんですよね。そうすることで、大人になって山を崩すとか、川をつぶすとかいうことに反対してくれる人になるんじゃないかって思いがあるんです。

はた:それはぼくも同じ思いで、今、環境を保っていくには、自然について知っている子どもを育てていくことが大切だと思っています。だから子どもたちには、たくさん自然と触れ合って、面白いなって感じてもらいたいと思って、この絵本を作りました。

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はた こうしろう

  • 兵庫県に生まれる。絵本作家、イラストレーター。
    絵本に『ゆらゆらばしのうえで』『ことりのゆうびんやさん』(以上福音館書店)、『ガタゴトシュットンなんのおと?』(学習研究社)、『なつのいちにち』(偕成社)、『雪のかえりみち』(岩崎書店)、『はるにあえたよ』「クーとマーのおぼえるえほん」シリーズ(ポプラ社)、「ショコラちゃん」シリーズ(講談社)、『こいぬ、いたらいいなあ』(フレーベル館)、『はじめてずかん どうぶつ(1)(2)』(コクヨS&T)、童話の絵に『しゃくしゃく けむしくん』などの作品がある。
    東京都在住。

奥山 英治(おくやまえいじ)

  • 東京都生まれ。日本野生生物研究所代表。おもにアウトドア雑誌を中心に、テレビの自然番組の監修など多方面で活躍中。山、野原、川、海、植物、動物、昆虫とすべてのフィールドに精通。「さわらないとなにもわからない!」をモットーに、自然観察会の講師としても活躍。著書に『虫と遊ぶ12か月』(デコ)『自然であそぶ』(ポプラ社)『作って遊ぶ!工作KIDS』(共著・小学館)、イラストを担当した本に、『水辺であそぼう』『里山であそぼう』(ともに農文協)など。

作品紹介

ふゆのむしとり?!
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作:はた こうしろう 奥山 英治
出版社:ほるぷ出版
むしとりにいこうよ!
むしとりにいこうよ!の試し読みができます!
作:はた こうしろう
出版社:ほるぷ出版
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