●強力助っ人登場! 「むしとり絵本」シリーズ第2弾のきっかけは…?
───前作『むしとりにいこうよ!』のインタビューのときは、はたさんのハムシ、ゾウムシ、フンチュウに対するふか〜い愛情を感じました。なので次回のインタビューではきっと、牧場にフンチュウを探しに行くと思っていました(笑)。(前作『むしとりにいこうよ!』インタビュー記事はこちら)
はた:フンチュウ、行きたいですよね〜。でも、今回は『むしとりにいこうよ!』と同じ場所で季節を変えたおはなしになりました。
───「ふゆのむしとり」…実際に今日、一緒に回って、あんなにもたくさんの生き物が見つかるなんて思ってもいませんでした。何より、奥山さんが私たちのどんな質問にも答えてくれるのがビックリで…。今回、奥山さんがこの絵本に関わられた経緯を教えてください。
はた:『むしとりにいこうよ!』の次回作を作る打ち合わせを編集者さんとしていたとき、チョウについて知らないことが出てきて、奥山さんに電話で相談したんです。そうしたら、どんなチョウがいるか、どの木にいるか、すごく詳しく説明してくれて…。ぼくは冬の虫にはあまり詳しくなかったので、それならば…と思い、加わってもらうことにしました。
───はたさんはあまり冬に虫とりに行くことはなかったのですか?
はた:ぼくは兄の影響で、「オサ堀り」はしていたのですが、それ以外の冬の虫はあまり詳しくなくて…。
はた:オサムシの採集方法のひとつです。冬に河原敷などにある崖をスコップでほっていくと、オサムシやハンミョウが捕れるんです。夏よりも冬の「オサ堀り」の方が、採取率があがると言われるくらいメジャーな捕り方なんですよ。そういう絵本だったら作れると思ったけれど、崖を掘るというのが、危険な部分があり、絵としても地味かな…ということで止めて、ほかの冬の虫をメインにしようと考えていたんです。
───そこで奥山さんに声をかけたんですね。
はた:最初はチョウをメインにしようかと思って相談したんですが、話を聞くうちに、1冊にはまとまらないくらい沢山の昆虫が冬にも見つかることを聞いて…。それで今回も1作目同様、いろんな昆虫を紹介することができました。
───奥山さんの話で、一番驚いたのはどんな昆虫のことでしたか?
はた:あと、イラガのマユの模様がひとつひとつ違う話も面白かったし、ミノムシのメスが一生ミノの中で過ごすという話も、生まれたばかりのミノムシが母親のミノから糸を出して風に乗って飛んでいくというのも知らなかったので、すごく面白かったですね。
───いったい、いつ、どうやって作っているのか、すごく気になりますね…。奥山さんは今回、はたさんと絵本を作ることになって、どう思いましたか?
奥山:「うれし〜!」って思いました(笑)。ぼくは普段、自然について伝えるときは、子どもをメインにしているんです。それは、大人が今の自然環境を悪化させているという思いがあって、それを守るには、子どもに今のフィールドを教えることが重要だと思うんですよね。そうすることで、大人になって山を崩すとか、川をつぶすとかいうことに反対してくれる人になるんじゃないかって思いがあるんです。
はた:それはぼくも同じ思いで、今、環境を保っていくには、自然について知っている子どもを育てていくことが大切だと思っています。だから子どもたちには、たくさん自然と触れ合って、面白いなって感じてもらいたいと思って、この絵本を作りました。