中世ヨーロッパ風の街。少女が家に帰ると、「あなたのだいじなものをうばっていく。鏡の中で、見つけられたら、かえしてあげよう」という、「鏡の女王」からの手紙が。そして、部屋からは、だいじなものが七つ、なくなっていた。
鳥のハインリッヒ、香水びん、バッグ、バラの花……。
少女は鏡の中へ入り、だいじなものを取り戻していく。
野間賞受賞作家のベテラン斉藤洋氏と、本書がデビューとなる期待の新人イラストレーター本村亜美氏による、新しい「さがし絵」の本です。
細かく描きこまれた本村氏のイラストは、美しさの中に、かすかな不安も感じさせます。読者は、主人公といっしょに「だいじなもの」をさがしながら、不思議な感覚をおぼえることでしょう。
単なるさがし絵遊びではない、文学的・哲学的・芸術的な香りを持った、新しい「絵さがし絵本」です。
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