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向田邦子「ゆでたまご」、杉浦日向子「恋人の食卓」、吉行淳之介「嫉妬について」、太宰治「満願」、森鷗外「じいさんばあさん」など、“愛”についての19編を収録。

「哲学」という言葉に、どんな印象を受けますか。
眉をひそめ、難しい顔をして悶々としている姿とか
日本の有名な哲学者西田幾多郎が毎朝歩いて思索にふけったという「哲学の道」とか、
ロダンの彫刻「考える人」も哲学っぽい。
調べると、「生活のなかで疑問に感じたことや身の周りにある問題について
自分なりの“問い”を立てながらこだわって考えをつきつめていく学問のこと」と出てくる。
そんな「哲学」を中学生までにしっかり学んでおきたいというシリーズがある。
それが、松田哲夫さん編集の『中学生までの読んでおきたい哲学』全8巻。
そこにもしっかり、「考えることを楽しもう!」と謳われている。
第1巻の「愛のうらおもて」に収録されている作品は、
まずは向田邦子の「ゆでたまご」。
えっ!? 向田邦子さんのエッセイも哲学?
太宰治の「満願」とか森鴎外の「じいさんばあさん」、倉橋由美子の「血で染めたドレス」といった短編、
寺山修司とか坂口安吾、さらにが幸田文とか佐野洋子といった人のエッセイもある。
驚きは、落語。ここでは桂文楽の「厩火事」が収録されている。
えっ!? 落語って考えるのではなく、笑うものではなかった?
つまり、この世界、実は「哲学」であふれているということかしら。
まずは、自分の頭で「愛」について考えてみよう。 (夏の雨さん 70代以上・パパ )
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