ああ、身の毛もよだつほど恐ろしいのに……聞きたい、見たい、話したい!
「怖い話」というものには、なんだか不思議な魅力がありますよね。
あなたはいくつ知っていますか?
「トイレの花子さん」をはじめとする「学校七不思議」、「口裂け女」の都市伝説、四谷怪談に皿屋敷……
そんなの常識だって?
では、女性の頭と内臓だけという凄まじいヴィジュアルのオバケ、「ピー・グラス」はどうでしょう。
のっぺらぼうにそっくりの、顔のない幽霊ムジナは?
これらはそれぞれ、タイ、ハワイで伝わる怖い話です。
そう、世界にはわたしたちの知らない怖い話が、まだまだたくさんうごめいているのです……
そんな世界の国々に伝わる怖い話を紹介していく一冊!
上巻となる本書に収録されているのは、人種のるつぼアメリカや、おとなり韓国、ユニークな動物のイメージが強いオーストラリアなど、14カ国の怖い話です。
湖の多いカナダでは水に関する幽霊話が中心だったり、日本からの移民が多いハワイでは日本と同じ意味の『OBAKE』という言葉があったり、それぞれの国によって怖い話にも文化がうかがえるのが、興味深いみどころのひとつ。
逆に、文化が違えど意外なほど多くの共通点をもつ話もあるんです。
インドネシアのミスタージペンや、ブラジルのロイラは、日本の花子さんと同じく女子トイレに出るオバケ。
他にもコックリさんに似ているメキシコのチャーリーゲームや、韓国に伝わる口裂け女など。
遠く離れた地で同じような怪奇現象が伝わっているというのは、それがつくり話ではなく、実在するということの証なのかもしれません……
また、怖い話とひとくちにいっても、怪談話に都市伝説、不気味な言い伝えや、心霊スポットなど、その種類はさまざま。
本書では、人間の理解がおよばないオバケや怪奇現象だけでなく、現実に存在し、今なお恐れられている場所についても紹介しています。
そこで本書の冒頭には、「インターネットで舞台になった土地や建物の画像を検索し、さらなる恐怖にひたるのも楽しいかもしれません」と提案されています。
そこでおすすめしたいのは、本書にも登場するメキシコの人形島、「ソチミルコ」。
下手にお墓や学校より、よっぽど怖い……。
さあ、本書を手にとって、怖い話で世界を巡る旅に出発!
帰ってこられるかは、まあわかりませんけれど……
(堀井拓馬 小説家)
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