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4歳年上のジェイソンは、ぼくの自慢の兄。だけどこのごろ……。 生物学的な性、社会的な性、そして本人が自覚する性の問題を、家族4人の立場から、わかりやすく、誠実に、時にコミカルに描く。 『縞模様のパジャマの少年』のジョン・ボイン、最新刊!
人の本質に迫る、深い本でした。
主人公のサムは13歳の男の子。
彼が慕い、尊敬している兄、サッカー少年のジェイソンが、実は幼い頃から、自分を女性として認識していた、と家族に告白し、家庭に激震が起こります。
それは、ジェイソンとサムの母親の職業と立場にも、打撃を与えます。
この本に心を動かされるのは、読者が自然にジェイソンの置かれた状況を追体験できるから。
もし自分がジェイソンだったら?
存在するままの自分と、外部から認識される自分。その間に存在する差異。それを一番大切な人=家族に、告白すること。そこに至るまでの苦しみと勇気。
この本では、性別がテーマですが、人種や信仰など、敷衍して全てのことに言えると思います。
作者が、ジェイソンを「勇気ある人」として描いていることにも、感動しました。 (むじごやさん 50代・その他の方 )
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