『おもしろ あいうえおかるたの え本』は、一度見たら忘れられない、人気かるたの絵本版です。
全ページにおかしさが散りばめられれており、ツッコミなしでは読めません。
作者は、琉球張り子作家の豊永盛人さん。豊永さんのかるたは、テレビ番組「IPPONグランプリ」のお題としてもおなじみですね。
じわじわと込みあげてくる感情は、気が抜けるような脱力感。
難しいことは考えず、大人も子どもも一緒になって楽しんでください。
「ありくいだ にげろ」
「いえから とびだす おとうさん」
こんな読み札からはじまるこの絵本。
もしかすると、1ページ目からいきなり「わからない」という感覚に襲われるかもしれません。
でも、きっとそれでいいんです。わからなくていいんです。
その感覚が、未知の世界へ連れて行ってくれるのだと思います。
子どもには子どもの気づきがあるように、
大人には大人の気づきがきっとあると思います。
でも、なくても別にいいと思います。
この絵本を読むと、そんな風に思えてくるのです。
「よくわかんないけど楽しそう。私も読み札を考えてみたい!」
と思った方に朗報です!
自分で考える読み札も、ちゃんと用意されています!
「て」の読み札には「て」としか書かれておらず、自由に考えられるようになっています。
そしてその隣には、マジックショーでよく見かける、体が分離している絵。
なんだかおもしろい読み札ができそうな予感です。
「読んでたら、かるたがしたくなってきた」と思った方にも朗報!!
読み札と絵札が見開きでばらばらに描かれているページでは、手軽にかるた体験ができちゃいます。
絵本で体験するかるたは、普段のかるた遊びとは一味違った新鮮さ!
絵本とかるたの相乗効果が炸裂した『おもしろ あいうえおかるたの え本』。
ぜひご堪能ください。
(近野明日花 絵本ナビライター)
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