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新ちゃんは小学5年生。この春から幼なじみの剛と同じ学校に通うことになった。四肢性マヒという障害のためリハビリをしていたのだ。 第33回青少年読書感想文コンクール課題図書
『口で歩く』のレビューから気になって手にした本です。
四肢性マヒという生まれながらの障害を持つ新ちゃんと剛の友情物語。
障害を持って生まれた新ちゃんがたくましく育つ姿、幼なじみの新ちゃんに寄せる剛の友情に感動以上に引き込まれてしまいました。
新ちゃんは小学校5年生の編入で剛と同じ小学校になったのですが、幼なじみでいながら小学校1年から4年までを親と離れて障害者福祉学園で過ごしたのでした。
障害をもって弱さの目立った新ちゃんは、剛もびっくりするほどたくましく育っていました。
一緒に学校に行けるという喜びから、剛は新ちゃんを支えることを自分に課しました。
その思いやりが話の隅々に書かれていて心を熱くしてくれました。
この話の主人公は剛であり新ちゃんであり、テーマは障害かも知れませんがなにより二人の友情が素晴らしいのです。
障害に対して、強者弱者の図式から日常生活の中にいかにやっていくか。
普通に生活することをノーマライゼーションといいますが、どれだけ大変なことか…。
二人の友情が二人を成長させていくところが、現場を知っている人ならではの語りです。
新ちゃんがたくましくなった理由。
新ちゃんを支える剛の思い。
周りの偏見や軋轢に立ち向かっていく姿。
当たり前とか、普通とかいった言葉が障害者にとっていかに重いものか実感しました。
「がんばれといいたくない」というお母さんの言葉も飛び込んできました。
目頭を熱くさせるお話です。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子14歳)
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