今夜イビキさんが泊まるのは、ナカヨシ・ホテル。ここがちょっと変わったホテルであることを、イビキさんはまだ知りません。
早く眠りたいイビキさん。フロントのベルボーイは1階の104号室に案内しました。さっそく寝る準備をして毛布に潜り込んだイビキさんでしたが、枕に頭を乗せようとすると、「チューチュー」という音が聞こえてきます。
びっくりしたイビキさんは、慌ててフロントに電話をします。「わたしのまくらにねてるやつがいるんだよ」と訴えますが、ベルボーイは、慌てることなく「はい、ネズミさまじゃないでしょうか」と返事。どうやらこのホテルは、どの部屋にもすでに先客がいるようなのです。
代わりに案内された2階の部屋にもブタが、自分で選んだ5階の部屋にもクモがいます。自分だけでゆっくり寝られる部屋を探し、どんどんとフロアを上がっていくイビキさん。タイトルの通りだとすると、13階にいるのは……?!
予想を裏切るどんでん返しが楽しいおはなし。ナンセンスな展開に、子どもも大人もワクワクするでしょう。『としょかんライオン』『ウエズレーの国』など人気絵本のイラストを描く、ケビン・ホークスのユーモラスなイラストも必見。ページをめくるたびに、なんだか眠くなってくる、かも。ウイットに富んだおしゃれで楽しい作品です。
(出合聡美 絵本ナビライター)
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