
お茶を習い始めて二十五年。就職につまずき、いつも不安で自分の居場所を探し続けた日々。失恋、父の死という悲しみのなかで、気がつけば、そばに「お茶」があった。がんじがらめの決まりごとの向こうに、やがて見えてきた自由。「ここにいるだけでよい」という心の安息。雨が匂う、雨の一粒一粒が聴こえる…季節を五感で味わう歓びとともに、「いま、生きている!」その感動を鮮やかに綴る。
茶人という生きもの 「自分は何も知らない」ということを知る 頭で考えようとしないこと 「今」に気持ちを集中すること 見て感じること たくさんの「本物」を見ること 季節を味わうこと 五感で自然とつながること 今、ここにいること 自然に身を任せ、時を過ごすこと このままでよい、ということ 別れは必ずやってくること 自分の内側に耳をすますこと 雨の日は、雨を聴くこと 成長を待つこと 長い目で今を生きること
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