編者が昔、書店をしていたころから、変だなあ、と思っていたのが、日本の昔話でした。
何が変か、というと、たとえば「舌切り雀」。
舌を切られた雀に、おじいさんがあやまっています。
そしておおごちそうになったおじいさんは、その夜、雀のお宿にとめてもらいます。
舌を切ったのはおばあさんなのに、なぜおじいさんがあやまるのでしょう。
それに、どんなに無慈悲なおばあさんでも、おじいさんとは一つ屋根の下に住んでいるのです。
おばあさんが心配するから今日のところは帰りますよ、とことわるのが、順序正しさ、礼儀正しさというものでしょう。
−だから、子どものいたずらまで親があやまったり、人の心配なんかお構いなしに無断外泊するようになる、
と編者は心を痛めておりました。でも、この本は、だいじょうぶ。毎晩ひとつ、子どもに読んであげてください。
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