わたしのかさ、ちょっと閉じてきたかもしれない…… 大好きな兄を亡くした少女アニーの心模様を、あたたかいまなざしで綴る全米話題の感動作!
「ねえ! 話したいことってなあに?」わたしはにっこりした。レベッカはわたしの思いつきをぜったい気に入るはず。「あそこにね……」わたしはレベッカの後ろの、幽霊屋敷を指さした。「どうやって入りこんだらいいか、わかったんだ」――<本文より>
五か月前に兄が亡くなり、それから自分の健康のことばかり気遣うようになった10歳のアニー。
アニーは感受性が鋭く、
「悲しそうな、心配そうな、ちょっぴりかわいそうっていうのがまじっているような目つき」で自分を見る人を見分けるのです。
幽霊屋敷と呼ばれる家に引っ越してきたフィンチさんとアニーは話すようになってからのアニーの心の変化が見事に描かれています。
自分の家族が突然亡くなったら、普通通りに生活できるようになるまでには時間がかかります。それを日にち薬と私の亡くなった母は言っていました。
元気で健康状態のような時には、心は人にも大きく開かれていますが、逆に精神が弱っている時には、心は閉じざるを得ないのです。
それが自分の心を守る方法だからです。
でも、人は悲しみを乗り超える力も持っています。
それは一人では働かないものなのかもしれません。人は支え合って生きています。
辛い時、悲しい時、そばに心に寄り添ってくれる人と話をすることができたら、悲しみを乗り越える力が発揮できるのだろうと思いました。
母が突然亡くなった時に、多くの人が声をかけてくれてまた話をしていれたことが私が悲しみを乗り越える力になったことを思い出しました。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
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