小さめサイズで赤と青の鮮やかな表紙が目に飛び込んでくるのは、いしかわこうじさんの新シリーズ「のりものしかけえほん」2冊。乗り物を「りく」と「そら」で分けています。
「そら」の乗り物として登場するのは、ジェット機や気球、ロープウェイにロケットなど。
まずページをめくると乗り物の名前。隣のページにはシンプルな、でもしっかりとリアルな絵が登場します。名前を覚える図鑑のような形としてもぴったりです。更にページをめくると、大空へ飛び立ちます。ジェット機は遠くに遠くに。眼下には街や湖が見えます。気球はふわーりふわりと空に浮かび、ロープウェイは山の間の空を上っていきます。そして最後に一番大きいロケットが…!
この絵本が面白いのは、シンプルな「めくりしかけ」をめくっただけで乗り物が飛び立っていくというところ。確かにそこには大空があり、様々なスピードを出しながら生き生きと「そら」の乗り物が活躍しているのです。
名前のページの横に、登場した乗り物がミニチュアのように並んでいくのも子どもたちが喜ぶポイントですね。
「そらの のりものえほん」をぱっと見て美しいと感じた方は、是非1ページ1ページの空の色を見比べてみてください。みんな違う色をしているんです。それぞれに気持ちのいい空がたくさん登場するんです。ちょっと驚きますよね。
そんな風にいしかわこうじさんの絵本は大人が読んでもワクワクするポイントがたくさん!
こだわりぬいた線、色、そして本の作りそのもの。手に取った時に感じる喜びは、子どもも大人も変わりません。
長く愛読したいのりもの絵本の発売に、とても嬉しくなりますね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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