多かれ少なかれ、思春期は人間関係の中でこういうたぐいの共依存を経験することにはなると思います。
だからこそ、10代にこの本を勧めるかというと微妙な所です。文章の難易度としては中学生から読めますが、これを読み切るためには、ある程度の経験に基づく俯瞰力が必要だからです。
「巻き込まれる側」のナタリーも、「巻き込む側」のチューリップも共通するのは結局、背景にある保護者からの愛情の欠損。「こんな子、どうなったっていいわ」と思われている子どもの歪んだ心理をよくぞここまで細かく描いたものだと思いました。
強すぎる共依存心理を生み出すのは、親の教育姿勢や家庭環境そのものだ、と断罪しているように読めます。
子ども、というより保護者が読むべきでは。