『ハリーは、くろいぶちのある しろいいぬです。』というおなじみの言葉から始まるハリーの海辺での冒険談。かんかんでりのお日様が苦手なハリー。海草をすっぽりかぶったので、涼しくはなったのですが、海辺の人たちは「おばけが出た」と大騒ぎになってしまいました。
このおはなしの中で、ハリーは、自分の名前を聞き間違えるのですが、どうやったらホットドッグやさんの「いらはい!いらはい!いらはい!」が「ハリ!ーハリー!ハリー!」と聞こえてしまうのか。これは、訳者の大きなミスとしか言いようがありませんね。しかも、最近の子どもは「いらはい!」という言葉そのものさえ知らないみたいでした。「いらっしやいませという意味よ。」と解説したら、更にややっこしいことになってしまった。結局、耳の中に水が入って、よく聞こえないから、聞き間違えたということにして、読み進んだのですがそんな誤訳(?)を差し引いても、ハリーのユーモラスな行動や生き生きとした描写は、十分子どもたちには魅力的です。最後に、迷子の原因になったしまもようのビーチパラソルが、「くろいぶちのある しろいパラソル」になったというオチを読むと、子どもたちは歓声を挙げて喜んでいました。