雪うさぎは冬をつれてくるうさぎでしょうか、春に向かっていくうさぎでしょうか、ぴょんぴょんと跳ねながら、少女を列の中に連れこんでしまったところに恐怖感をいだきながら、その幻想にちょっと酔いました。
自分が自分の世界から消えてしまうという陶酔、自分の世界に戻りたいという抵抗、不思議なリズムの中で一心にループを断ち切ろうとする少女に、何かに取り憑かれてしまった人を重ね合わせるのは強引でしょうか。
春を告げるよもぎ、魔除けの草の象徴として描かれるよもぎの葉に、うさぎの白い毛を重ね合わせたところに、自己回帰の強い意志を感じました。
ループを断ち切った時に、とても遠くまで来てしまったと思う心、なぜか共感してしまいました。