書店でたくさん置かれていたので、なんの気なしに手にとって読み始めたのですが……数ページで涙がこみあげてきて、最後まで読めず、けっきょく買って帰ることに。
はじめのほうは、少しずつ自分の手からはなれていく我が子を思いながら、最後のほうは、年々老いていく母の姿がかさなって……。いま思い出しただけで、また涙うるうるです。わたしたち母親はこうして、深い思いを順繰りに子どもに手渡しつづけてきたんですね。帯に、母であることのすべてがつまった絵本とありましたが、ほんとにそのとおり。
ちいさな子どものための絵本ではないけれど、ぜひ読んでみてほしい一冊です。声に出して読んだら涙でぼろぼろになって、とても読み聞かせはできそうにありませんが。