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百年の家」 パパの声

百年の家 作:J・パトリック・ルイス
絵:ロベルト・インノチェンティ
訳:長田 弘
出版社:講談社 講談社の特集ページがあります!
税込価格:\2,090
発行日:2010年03月
ISBN:9784062830423
評価スコア 4.59
評価ランキング 5,305
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  • 傑作の一言しかありません

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 東京都
    • 男の子12歳、男の子6歳

    表紙の重厚な絵に惹かれて読んだのですが、久しぶりに魂を大きく揺さぶられる絵本に出合いました。
    これは傑作だとしか言いようがありません。
    バージニア・リー・バートンの「ちいさいおうち」を、現実的に時代背景を検証して、家の目線で人の歴史を描ききったものと言えば良いでしょうか。

    物語は、1656年にこの家が建てられたシーンから始まります。
    この年は、ペストが大流行した年。
    その家は、長い年月を経て誰も住まなくなります。
    1900年になり、ここからが本当の物語の始まりです。
    日本で古民家は、なかなか残りませんが、ヨーロッパでは、平気で100年を越す家が存在すると良く聞くのですが、まさにそんな感じです。

    1900年にこの廃屋を見つけたのは子供たち。
    そこから、家の改築が始まり、ここに住む人達は工夫を重ね、強い品種の果樹を育てます。
    結婚、誕生、第一次世界大戦、戦死、第二次世界大戦、子の旅立ち、死と、家はその出来事を静かに見守っています。
    幸せな出来事もあれば、不幸な出来事もある。
    生誕の至福、収穫の喜び、戦争の悲惨さ、別れの悲しみ等等、人々は1日1日を積み重ねていき、それが歴史を織り成していく、そんな当たり前のことを深遠な言葉で語りかけてきます。

    精緻な絵は、重厚で1枚1枚が美術館にあってもおかしくない程の出来栄えです。
    年を追うごとに成長あるいは、枯れ果ててしまう木々、少しづつ手が加えられる家や外溝等の変化も、歳月の重みを丁寧に表現しています。
    エンディングの明るい色調の家への建替えも、明るい未来を暗示しているように感じられました。

    そして、何よりもこの作品の凄さは、文章の力強さにあります。
    4行に纏めた文章は、どれも、心の琴線に触れるもの。
    抒情詩のようにすら思える素晴らしい珠玉の言葉が散りばめられています。

    明らかに大人の絵本です。
    それも上質この上ない作品なので、是非読んで頂きたいと思います。
    感じ方はそれぞれだと思いますが、自分の人生について考えさせられることは間違いないはずです。

    私にとっては、手放すことの出来ない1冊となりました。

    投稿日:2010/10/11

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  • 家が語る歴史

    イタリアの丘に建てられた一つの家が語る100年の歴史です。
    石で造られた廃屋にまた人が住むようになった1901年。
    それから住人の歴史を刻み続けてまた廃屋になるまでの100年間に、戦争があり、住んでいる家族にも、回りの人々にも様々なことが起こりました。
    きめの細かい描写、人だけではなく家の少しずつ改築されていく様に生活感と歴史の臨場感が感じられました。
    1999年、家は現代家屋に様変わりして、新しい歴史を刻み始めます。
    家にも心があるのだと思いました。

    原題は『家』。
    ペストが大流行したという1656年に建てられた家ですが、この絵本は1900年から始まります。
    定点描写なだけに社会史がくっきりと浮かび上がる作品なだけに、過去にさかのぼって次の作品が出されることを望みたいと思います。

    投稿日:2010/08/18

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