いちじくの木にかかっている郵便箱に住み着いたかえる。
僕に届いた手紙を読んでいるので注意した。
そして自分から手書きをくださいという手紙を書けば手紙が来ることを教えてあげた。
かえるはいっぱい手紙を書いて待っていた。
でもなかなか返事は来ない。
とうとうある日、郵便箱から出て行ってしまった。
ぼくが郵便箱を掃除すると、たくさんのいちじくの葉っぱが出てきた。
そこには「てがみをください」と書いてあった。
かえるは僕あてに手紙を書いていたんだ。
緑色が印象的。梅雨時に読むとより良いかもしれない。
かえるの表情が豊か。
かえるが気にしていないふりをしながら、手紙を待ち望んでいる様子がちょっぴり切ない。
そしてそんなかえるの気持ちにかえるが去ってしまってから気づいた僕の気持ちも切ない。
こんな人(かえる)とのすれ違い、後悔を経験しながら人は大人になっていくんだな。
後悔しないように、大切な人に手紙を出そうと思わせてくれる一冊。