荒井良二さんの新作。
読後感は、とにかく絵が綺麗ということ。
それと、何か力強いメッセージのようなものを感じました。
その何かとは、東日本大震災にヒントがありました。
この作品は、荒井さんが3月11日の東日本大震災のあとに初めて描かれた絵本です。
震災後、絵本作家として何ができるだろうかと真剣に考えられたそうです。
東北でワークショップをしたり、被災者の方々と話しをする中で、日常を取り戻すための第一歩として、お手伝いできることは「朝、起きたらカーテンをあける」ことだと思われたことから、この絵本が生まれたとのこと。
そんな崇高な思いにはせる時、その絵の美しさに、さらに磨きがかかることに気づきました。
日常の些細な繰り返しこそが、幸せなのでしょう。
そんな小さな幸せを気づかせてくれる、作品だと言えると思います。
「あさになったのでまどをあけますよ」、とても素敵な響きの言葉です。
今生きていることに喜びを感じ、感謝したいと思わずにいられない気持ちになる作品でした。
多くの人に読んで欲しい作品です。