ドラキュラ城は満月の夜にだけ、一般の見学者を受け入れている。案内ツアーの他に特別なお料理も出したいドララちゃんは、アッチの店を訪ねて店の全メニューを食べてみるが、普通過ぎて気に入らない。そこでアッチは激辛カレーを提案するが…
ドラキュラの孫という設定のドララちゃん。モンスターなので、なんでもアリで、話を面白くしてくれる。尊大な態度、大飯食い、朝寝坊、天才肌の変人…など、勝手にキャラクターが動いて話を盛り上げてくれそう。今回は底なしの胃袋がわかって驚く。ドラキュラだから「血」じゃないものは、食べてもさして栄養にならないのだろうか。
辛いものが平気というのも、他のドラキュラの話にはない設定で、作者のユニークな感性とイタズラ心が感じられて楽しい。それにしても、お客さんはあんな激辛カレーを食べて翌日大丈夫だろうか。ファンキーな展開が痛快で、私も一度お城の見物に行ってみたいと思った。
奇想天外なストーリーが新鮮で、日ごろの憂さも晴れる一冊。