「人類やりなおし装置」 みんなの声

短編なんだけど、最後までハラハラドキドキさせられました。
ラストシーンが気になって気になって仕方なくて、夢中になりました。まさか、こうなるとは！！
9歳の息子も楽しんでいました。
漢字も最初に一度ふりがなを振ってくれてるので、読みやすかったみたいです。

息子の学校の図書館司書の先生が、本選びに迷った時に見てみるのによい本を貸してくれ、その中でお薦めされていた本の一つです。

ショートショートとしては若干長め？　かもしれませんが、こうテンポよくストーリーが続くところが読んでいて心地よかったです。
問題ばかりの世の中.. たしかに今もまさにその通りです。そして、すべてを花や緑に換えてしまったらという発想も頷けなくもありません。
でも、このオチ？　結局、世の中なんて変えられないのかもっと思わず苦笑いをしてしまいました。面白い話でした。

私のお気に入り、岡田淳さんの作品です。

お金のことばかり考え、失敗したらすぐにへこたれる天才教授と、助手の織りなす物語。
今まではお金になる装置ばかり考え、自己中心的に行動してきた教授。
ある日、新聞を読んで憤ります。
戦争、いじめ、環境汚染。
なんとも悲惨なこの世を嘆き、世界平和を自らの手で作り出す。

助手にダメだしされても、へこたれません。
自分の全財産をつぎ込み、足りない部分は借金までし、この世を平和へと導こう。
銃も戦車も環境破壊を引き起こす工場もいじめの舞台になる学校も、全てを植物に変えてしまおう。

しかし、植物に変えられて困るものもあります。
病院がなければ、肉や魚や調理道具、そうそう、一番肝心なのは人間！
これを植物にしてしまっては、本末転倒。

スイッチオンの瞬間をドキドキしながら待ちました。
最後のオチが秀逸です。
息子は大笑いです。
最後の一文、心に残りました。

ユーモアたっぷり、でも風刺も効いた奥の深い作品です。
対象年齢は高学年からですが、イラストたっぷり、文章も簡潔で、もっと下の子にも楽しめそうです。

ノベライズなプロフェッサーPのお話。
「プロフェッサーPの研究室」（漫画）を読んだ後だと助手と同様に教授が世界平和？とびっくりしてしまいます。
今回の教授は今までの金もうけとか自分のためといった教授と一味違いました。
ラストもこれまた教授と同意見です。よかったよかった。
人類やりなおし装置の他に漫画も少し載っていました。
教授はやっぱり天才ですね。