中川千尋さん訳のなかから選んで読みました。
満たされない気持ちで過ごしている王さまとお后さま、娘もここで、「子どもがいないからとちがう?」と感づいたとおり、お二人とも子どもがいればと願っていたのでした。
庭師の末のむすこがお城の庭で遊んでいる様子に、王さまもお后さまもお幸せそう。お庭に子どもたちの遊ぶ姿があれば、お二人はお幸せなのでした。
それを見ていたあざみ(柳やゆり、ばら、けし、ひなぎく等のやりとりを聞いていると、あざみは格下なんですね、、そのあざみが姫になります!)は、王さまとお后さまの寂しさを何とかしてあげたい、と行動にでます。
自分のことは、周りの人のほうがよく見えているのかもしれません。あざみ姫は、赤ん坊に姿を変えて王さまとお后さまの前に現れお二人を喜ばせます。そして、庭で子どもたちと遊ぶ姿で、王さまとお后さまをお幸せにしたいと願います。でも、お二人はなかなかそのことに気づかず、あざみ姫を無菌状態で育てようと、庭から子どもたちを閉め出してしまいます。
お二人がようやくその愚かしさに気づいて、子どもたちをお庭に迎え入れたときに、あざみ姫は「ようやく・・」という言葉を残して、空に吸い込まれていきます。あざみのことを見下していた柳の、もうこんなことはしたくない、という最後のシーンも切ないです。
5歳の娘は最後にあざみ姫が消えてしまったのが何故なのか、気になって仕方がなかったようでしたが、自分なりの答えを見つけてほしいので、「分かりたかったら、何度も何度も読みなさい」と答えておきました。