ラスト、完全に泣いてしまい、最後まで読み聞かせることがどうしてもできません。何回読んでも、最後はどうしても駄目です。子供も一緒に泣いてしまいます。
他人の子だと知りながら、我が子と同じように深い愛情で育てる母親、自分が他人の子だとは気付かずに母親や弟を信頼して育つ子供。我が子を失い、悲しい気持ちを引きずっている父親。大好きな母親を守るため、弟を守るため、そして悲しい思いをした本当の父親のため、ティラノサウルスの子供が選んだのは、切ないラスト。でも、全てを思いやるティラノサウルスの子供にとっては、これしか道はなかったのかも…。大好きな母親のために、最後に用意してある「今まで我が子のように育ててくれて本当に有難う」という感謝の気持ち。そして、「あなたをずっとずっとあいしてる」という母親の姿。何度読んでも泣いてしまいます。
親子の愛情も親子の信頼も、子供が育つ過程で、どんどん深まり、どんどん厚くなるものなんだと感じます。そして、子供を失う悲しみというのは、何年経っても癒えるものではないということも…。
宮西さんの作品は、絵を見ただけでは想像ができない、繊細な作品で、読み手泣かせです。