「悪魔」という言葉を聞くと、どんなことを思い浮かべるでしょうか。
人を惑わし、心の隙間から入り込んで弱さにつけこみ、悪い心をあおって堕落に導く…なんともまがまがしい感じですよね。
でも、このお話に出てくる悪魔はちょっと違います。
背は低く子供くらいで、ピンピンにとがった赤い髪、ギョロリと開いた目、口まで裂けそうなほど大きな口と見た目は少し変わっていますが、悪魔というよりはいたずら好きな小人のイメージ。
そんな小さい悪魔が活躍する絵本です。
お話はとある森の中から始まります。
一人の貧乏なきこりが働いている隙に、小さい悪魔が現れ、こっそりお弁当の小さなパンを盗んでしまいます。
住処に帰った小さい悪魔は、なけなしのパンを盗んだことを大きい悪魔達に叱られ、きこりの元に戻ります。
「お詫びに何かさせてください」
泣きながら謝った悪魔に、きこりはどろどろの沼を麦畑に変える手伝いを頼むのですが…?
このお話は私が子供の頃大好きだった絵本で、懐かしくなって図書館で借りてきたところ子供達も気に入ってくれました。
お世辞にも可愛いとは言えない風貌ですが、この小さな悪魔がなんとも憎めないのです。
きこりの麦を横取りしようとする地主との対決では、スカッとすること間違いなし。
最後のページでは、小さい悪魔が住処に戻った場面も見られますよ。