むかしむかし、天竺(インド)の国にいるという、怖ろしいししのお話。ししの王様が、ひとうなり「うわーお」と声を出すと大変なことがおこるというのです。それをきいた、日本のきつね、ひとめ会いたくて、長い長い旅に出るのです。
鬼にまつわるむかし話は色々ありますが、遠い国のお話、それもインドのお話で、なかなか興味をそそります。そして、きつねのおこした行動も大したものです。はるか海を越えて、ししの王様に会いにいくわけですから…こんな思い切った行動をとる者がいて、新しい文化交流があり、発展してきたのでしょう。
挿し絵の入り方が、少し変わっているところ、色遣いが淡く暗くなっていて、よりお話の怖さが伝わってきました。
このししは、日本で今も行われている、あるものの由来になっているそうですよ。