表紙の家族の団欒光景に似合わない「だんながなんだ」という題名。
しかし、すでに表紙から、波乱のきっかけが描かれています。
上から読んでも下から読んでも同じ回文でできた作品ですが、
なんと、回文の寄せ集めではなく、壮大なストーリーになっているのです。
原始時代の大家族に起こった夫婦喧嘩。
妻は出て行き、旦那はおろおろしますが、意外な方向にストーリーはグイグイ進みます。
そして、宮西達也ワールドの定番、「愛」が実に鮮やかに描かれます。
全くお見事としか言いようがありません。
子どもでも十分楽しめますが、どちらかというと夫婦というものを実感している
大人が読むと深く味わえるでしょうね。
回文の見事さと、愛のストーリーの二重で感動しました。