インドネシアの昔話を探している時に出会った絵本です。
インドネシア人にとって、まめじか(カンチル)説話は難事を切り抜けるための知恵や戦略を与えてくれる源泉だそうです。木に登れないカンチルがさるのモニェを怒らせて、自分のマンゴーを手に入れる件は痛快です。
おはなしとは別にインド更紗で描かれたこの絵本に心惹かれました。絵本の後ろの方に、カラムカリについて記してあります。カラムカリというインドの伝統的な技法で染められた綿織物〈インド更紗〉。このカラムカリが遠い昔のインドの植民地時代に海を越えてインドからインドネシアへと伝わったそうです。最近インドネシアに旅行したことも手伝って、ロマンを感じました。絵本も素晴らしい芸術ですね。
訳者あとがきにまめじかの写真も掲載されていて、こんなに小さな動物がジャングルで生き抜いているんだと思いました。